名古屋国際会議場で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は29日の最終日、30日未明まで続いた協議の結果、焦点となっている発展途上国の貴重な生物資源の利用と利益配分を決める「名古屋議定書」と、今後の生態系保護の取り組みとなる新戦略目標「愛知ターゲット」(2020年までに少なくとも陸域の17%、海域の10%を保全する)を全会一致で採択し、閉幕いたしました。
さて、ここ最近ニュースなどでも耳にする「生物多様性」という言葉、こちらについて、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
今、地球環境問題の大きな課題の一つとして注目されているのですが、まだまだ一般の方々の認知度は低いようです。
この生物多様性は、1992年にリオで開催された「地球サミット」で地球温暖化とともに話し合われた議題の一つだったのです。しかし、温暖化に比べてまだまだその言葉自体、理解されていなのが現状です。そこで今回では、この生物多様性について、簡単にご紹介したいと思います。
生物多様性とは、簡単に言うと「たくさんの生きものがつながりあって生きていること」です。多様性と一言で言っても、遺伝子の多様性、種の多様性、生態系の多様性、景観の多様性など様々です。私たちの生活は、見えないところで、こうした生物多様性に支えられて成り立っています。人間にとって他の生き物は、生きるために必要なだけではなく、文化や精神的な豊かさも与えてくれる、なくてはならない存在です。
しかし、それが十分に認知されないままに今、生物多様性はものすごいスピードで失われています。残念なことに、こうした生物多様性の損失は、私たち人間の活動に大きく影響し、地球温暖化、生息地の破壊、資源の乱獲、外来種の移送など、上げてみるときりがありません!「認知するだけでなくアクションを!」と。
生物多様性があるから、われわれの生活は維持され、持続可能な社会が成立しているのです。こうした生物多様性の損失は、ゆくゆくは人類の存続にもかかわる重要な問題です。手遅れになる前に、こうした生物多様性の意義を理解し、私たちにできることを考えていきませんか?
例えば…
●海・山・川など自然で遊び、身近な生き物にふれたり、観察したりすること。
●外来種のペットを逃がさない、捨てないこと、最後まで責任をもって飼うこと。
●家族と自然の恵み、季節の恵みの大切さを話し合うこと。
●自然の中でもう一度、私たちの生活を見直すこと。
自然と触れ合うなどちょっとしたことから、生物多様性について考えるきっかけが生まれます!ぜひ、皆さんも生物多様性や環境について考えてみてください。
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