浄土ヶ浜ビジターセンター舘下です。
この写真は、浄土ヶ浜レストハウス前に設置されている、宮沢賢治の「寂光のはまに」という詩碑です。
「うるはしの 海のビロード 昆布らは 寂光のはまに 敷かれひかりぬ」
この歌は1917年(大正6年)7月に、賢治が宮古に訪れた際、浄土ヶ浜の礫浜で昆布を乾している様子を短歌に詠んだ歌です。「浄土」ではなく「寂光」と詠んでいるのは、当時の賢治が法華経(ほけきょう)に熱中しており、宮沢家の宗派である「浄土真宗」に対しての反撥ではないか、という説があります。
天日干しの昆布の比喩表現にビロードと例えること、その情景の一幕すら詩的に綴る文章力は、時を経ても不朽のものだと感じられます。